Jaguar E2A
Dタイプで'55、56、57年と破竹のル・マン3連覇('56、57年はプライベーターが優勝。57年は1〜4位独占)を果たしたジャガーは'56年でワークス活動を停止、
完全に古くなったXK150の次を担う市販GTカーの開発に専念する。(ワークス撤退は'55年メルセデスの大事故の影響もあり)
もちろん次期GTとはEタイプ('61年)に他ならないが、その名車のたたき台(プロトタイプ)として存在したのがE1Aであり、このE2Aである。
E1A(57年)はボディの他にシャーシもアルミが用いられたもので、名称はDの次「E」とその「1」号車、アルミの「A」の組み合わせ。
その2号車E2Aは58年に開発着手。シャーシは鋼製に戻されたがE1Aと同様Dタイプをより進化させたものを狙っていた。
空力的な最適化を目指すため、Dタイプのロングノーズ版よりさらに150mmノーズが伸ばされ、
新しい独立懸架方式リアサスに加えリアディスクがインボード化されるなどの変更がなされている。
又、エンジンはアルミ製ブロックとなり直6、3Lにルーカス燃料噴射システムの助けを借りて出力300ps以上を搾り出したとされる。
そして、このマシンをレースで試すべくブリッグス・カニンガム(
>>456)に協力を依頼、白ボディに青ラインのカニンガムカラーで'60年ル・マンに出場する。
(因みに、カニンガムは58,59年SCCAにLister-Jaguar ‘Knobbly’で出場している)
結果的にはリタイアするも、例によってストレートを305kmの最高速で駆け抜け観客を大いに沸かせたのである。
あのDタイプの次であり、Eタイプの予告編CMとすれば十分効果があっただろう。
因みに、エンジンのアルミ製ブロックは市販Eタイプでは見送られたが、ライトウエイトEタイプ(
>>326)に活かされている。
尚、村田(みなみ)氏によれば、ドア後方のエアインテイクはリアインボードディスクの冷却用だそうである。
ところで見た感じで言えば、ドアから前はかなりEタイプに近いし、バンパーが無いんでライトウエイトによく似てる。
だが、ドアから後がかなり不細工で、これならDタイプの方が遥かにマシ。
Eタイプがこれでデビューしなくて良かったとつくづく思わされるデザインである。
参考:Jaguar XK150
ttp://www.boldride.com/ride/1960/jaguar-xk150-roadster
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