スバル 1000 スポーツ セダン
富士重工業の前身は中島飛行機で、同社が開発した帝国陸軍の主力戦闘機である一式戦「隼」はあまりにも有名。
その軽量かつ空力的ボディによる高い速度&格闘性能は、他国同等馬力級ライバルに対し卓越しておったのだ。
このスバル1000('66年発売)は軽の360と共にその高い技術力を受け継いだ、当時としては非常に先進的なクルマなんである。
以下その代表例
①国産初の前輪駆動レイアウト
②重心が低くて軽量コンパクトなアルミ製シリンダーブロック&ヘッドの水冷フラット4
③サブ側のみ電動ファンを備えたデュアルのラジエターシステム(暖気時間の短縮と強力冷却性能の両立)
④フロントダブルウイッシュボーン+トーションバーによる4輪独立懸架
⑤ラック&ピニオンのステアリング
④レーシングカーのごときインボードタイプのフロントブレーキ(FWD特有の重い操舵力とバネ下荷重の軽減)
⑤シトロエンのごとく長いホイールベース+FWDによる1クラス上の高い居住性
⑥②のメリットを活用、スペアタイヤをフロントに搭載したことによる広いトランクスペース。
当時、かの小林彰太郎氏が「私が選ぶ唯2台の国産車」としてマツダ・コスモと共に取り上げていたり、
辛口で有名な徳大寺有恒氏をして「本当にすごいクルマだった」と言わしめたほど鮮烈なクルマだったんである。
スタイリングも、後の厚化粧なff-1や窓が小さくて腰高になってしまったレオーネとは異なり、シンプルかつ素直でルーミーなデザインに好感が持てるのだ。
唯一残念な点を上げるとすれば、フロントデザインが英国フォード・コルセア(3年前に登場)にそっくりなことで、日本国民として何とも悲しいんである。
画像は'67年に追加された高性能版で2ドアの「スポーツセダン」。
2キャブ化+圧縮比アップで55→67馬力に、コラムシフトをフロアへ、国産量産車初のラジアルタイヤ、黒基調のフロントグリルや3連メーターなんかが異なる。
ところで、隣の紺色車はダットサン113じゃないかな。
参考:Ford Corsair
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/22/Ford_Co... 一式戦「隼」
http://bbs63.meiwasuisan.com/bin/read/arms/1344802051/2...
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