312 T5
“ボクサー”の話ついでに。 自然吸気3L,12気筒ボクサー312T5は312T2(
>>46、
>>124)の後継にあたり
T4からグランド・エフェクト・カー(ウイング・カー)へと変化している。
因みに、Tはギアボックスが横置き(横=Trasversaleの頭文字)を指し、モンディアルTや348tbのTも同じ意味。
グランド・エフェクト・(G,E)カーやこれ以前のF1は各社様々なデザインをトライしていて見ていて楽しかった。
(タイレル6輪や先進デザインのロータス、ビックリ・ドッキリのブラバムBT46Bなど)
特に当時のG,Eカーは現代の空力制御より単純で、飛行機の翼を逆さまにしてベンチュリー効果で地面に押し付けるという
理屈(=スタイリング)が非常に判りやすかった。
要は車体中心部で空気流速を高めて後方にスムーズに排出するのだが、各社G,Eカーは進化するにしたがって
それを車体全体で行なうようになっていった。
で、この312T5(T4)。フェラーリもその流れに乗りたいが、それまでは強さの根源であったパワフルな12気筒が仇となる。
低重心で幅の広い“ボクサー”エンジンが後方で空気のスムーズな排出を阻むのである。
画像で判るようにエンジン前でグランド・エフェクトを完結せねばならず、車体後半部をエフェクトに使えない。
はっきり言ってエンジンが邪魔なんである。(この様子は素人目にも非常に判りやすかったな)
1979年のT4こそメイクス(コンストラクターズ)だけは取れたが、G,Eカー全盛の翌80年のT5はシーズンで1勝もできずに終わった。
結局、フェラーリはF1でのボクサーエンジンをこの年で終了してしまうのであった。
(尚、上156/85はウイングカーが禁止規定されたフラットボトムのマシン)
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