もう20年以上前かなあ?
会社へ出入りするポンプメーカーの営業さんが、こんな事を言ってた。
「高性能なポンプは羽根車とケーシングのスキマが非常にシビアなんですけど、デカい物を作る場合は大変なんです。
キッチリと1000mmを狙って削っても、どうしても1000.001mmとか999.999mmとかにバラつくんです。
日本人は真面目だから鬼の様に1000を狙って削るけど、どうしても楕円になったり歪んだ円になる。それを組立職人がサンドペーパーで仕上げて真円にする。
でもそれだと手間もかかるしベストな性能が出ない場合が多いんですわ。
ところがアメリカだと、最初っからドンピシャ寸法を諦め、好き勝手にのびのびと削る。
だから日本よりも寸法誤差の大きい円になっちまうけど、その代わり歪みのない、まん丸の真円に仕上がるんです。
そしてバラついた寸法のケーシングと羽根車を整理して棚に並べる。
最後に定められたクリアランスが出るモノ同士を選んで、組立師は鼻歌まじりでそれを組み立ててオシマイ。
結果としてツジツマは合うんですが、後でメンテ時の部品交換で困らないように、それぞれの部品にシリアル番号を打っておくんです」
この話を明和の兵器板で披露したら皆が面白がってくれたんだが、米英は大戦時からこの思想で兵器を作ってたみたいだな。
アメリカ方式はどうも気持ち悪くて納得が行かない手法だけど、合理的っちゃあ合理的だ。
この思想は日本で車のエンジンだけでなく他分野にも生かされているみたいだし、やっぱコレが正しいんだろうなあ。
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