全固体電池の分野は、古くから「出る出る詐欺(ベイパーウェア)」と揶揄されることが多く、
「華々しい発表→沈黙または延期」というパターンは枚挙にいとまがありません。
「夢の技術」であるがゆえに、投資集めや株価対策として大言壮語なスペックが先行しやすい
背景があります。これまでに期待を煽りながら、音沙汰がなくなった、あるいは大幅にトーン
ダウンした主な事例を挙げます。
フィスカー(Fisker):1分充電の衝撃と撤退
もっとも「大言壮語」と言われた例の一つです。
発表: 2017〜2018年頃、高級EVメーカーのフィスカーは「航続距離800km以上、充電時間は
わずか1分」という全固体電池の特許を取得したと発表しました。
結末: 2021年に創業者ヘンリック・フィスカーは「全固体電池は、あと10%を完成させるのが、
最初の90%を開発するより100倍難しい。我々は開発を完全に断念した」と認め、従来のリチ
ウムイオン電池へ切り替えました。
ダイソン(Dyson):2,500億円を投じた幻のEV
掃除機で有名なダイソンも、全固体電池を武器にEV市場へ参入しようとしました。
発表: 全固体電池ベンチャーのSakti3を約1,000億円で買収し、「他社とは一線を画す高性能な
全固体電池EVを2020年までに発売する」と宣言しました。
結末: 2019年、突如としてEVプロジェクト自体を中止。理由は「商業的に存続可能な道が見
つからない」というものでした。結局、固体電池の量産化の壁を突破できませんでした。
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