四輪車が雪道でスリップした場合、クラッチを切るべきではありません。
1. エンジンブレーキの喪失を防ぐため
クラッチを切ると、エンジンブレーキが効かなくなります。雪道や凍結路では、フットブレーキだけでなく、
エンジンブレーキを使って緩やかに減速・姿勢制御することが非常に重要です。駆動力が完全に切れると、
四輪すべてが慣性で滑りやすくなり、かえってコントロールを失うリスクが高まります。
2. 駆動力を完全に失うため
クラッチを切ることで駆動輪へのトルク伝達がゼロになります。スリップから回復させるためには、穏やか
なアクセル操作でわずかな駆動力をかけつつ、タイヤのグリップを回復させることが有効な場合があります。
クラッチを切ってしまうと、この制御の選択肢がなくなります。
3. ABSや横滑り防止装置(ESC/VSC)の機能を妨げる可能性があるため
今の自動車には、ABSやESC/VSCといった安全装置が搭載されています。これらのシステムは、車両の状態
(速度、ハンドル角度、車輪回転差など)を常に監視し、最適なブレーキやエンジントルク制御を行います。
スリップ時にドライバーが急にクラッチを切ってしまうと、これらの電子制御が正常に作動するための前提
条件が変わり、適切な制御を妨げる可能性があります。
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