【車対車の全面衝突】
本研究では、マクロデータとミクロデータを用いて、
異なるサイズの車対車の前面衝突時の適合性(コンパチビリティ)について、
今後の事故対策を考える上での課題や特徴を明確にすることを目的に事故分析を行った。
本研究を通して以下のことが明確になった。
・2001~2007年初度登録車に対して2008~2017年初度登録車の10万台当たり死亡重傷者数は減少した。
車両の総合的な安全性の向上によって得られた結果と考えられる。
・一方で、 衝突時の安全性を表す指標の一つである死亡重傷率は2001~2007年に対して2008~2017年で上昇した。
・死亡重傷率の上昇は、死亡重傷者数の構成率において自動車種類ごとに異なる傾向の変動が見られ
車両重量の軽い側(乗員保護の不利側)に死亡重傷者数の分布がシフトしていること、
それと同時に衝撃耐性が低い高齢者(65歳以上) の死亡重傷者の分布が
車両重量の軽い側にシフトしていることが一因と考えられる。
・車両重量帯900kg~1200kg未満で自車別、相手車別の死亡重傷率が逆転する。
900~1200kg未満が被害から加害、加害から被害に移り変る車両重量帯と考えられ
る。
・2001~2007年に対して2008~2017年の死亡重傷者の累積構成率が
相手車重量比(=相手車重量/自車重量)の高い側にシフトしている。
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