アクアは発売前にウワサされていたような、ただの「プリウスの小さくて安い版」ではない。
小さなボディでも広い後席やトランクを確保するために、プリウスではシート背後の床上にある
大型バッテリーを後席シート下に移した。また、エンジンルーム内のメカも「そこまでやるか!?」
というくらい低い位置に集中させている。
こうしたアクアのレイアウトは、基本運動性能やハンドリングをよくする”低重心”にもつながり、
低重心化のため(だけ)の新技術も大量に注入されているのだが、おおっぴらには喧伝していない。
アクア開発チームを率いたチーフエンジニアの小木曽氏は、初代プリウスからハイブリッド一筋の
トヨタ屈指のエキスパートだが、もともとはシャシー設計出身。そんな小木曽氏がアクアをつくる
にあたって「ハイブリッドは燃費だけじゃない! 走りだってイケるんだぜ!」という悲願のツボ
をひっそりと仕込んだ。その象徴が”低重心”である。
アップダウンが激しく曲がりくねった山道にいくと、アクアは路面にべったり張りついてびっくり
するくらい安定してステアリング反応も正確だ。ここにきてこだわりの”低重心”の効能がハッキリ
わかる。
つまり、アクアは基本フィジカル性能がとても高い。地道に改良していけば、硬派な走りオタクの
ツボを突く存在になる可能性は十分にあるし、基本的な素性はいいので今後どんどん出てくるはず
のチューニングパーツで自分なりに仕上げるのも面白いかも。
アクアにはこのように、つくり手のマニアなツボがひっそりと注入されている。
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