11月初頭にデビューするフェラーリ「F12 tdf」は、ひとことで説明すると、F12ベルリネッタの高性能版だ。
もうひとこと付け足すなら、1950年代から60年代にかけて開催された自動車レース
「ツール・ド・フランス(Tour de France)」で活躍した往年の
フェラーリ・スポーツカーへのオマージュ、という意味も持っている。
「このモデルは、1956年型の250GTベルリネッタをとりわけ意識しています。
なにしろ4年連続で優勝したのですから。伝説的な耐久ロードレースのツール・ド・フランスでは、
すぐれた操縦性により究極の性能を発揮することが求められ、さらに、
苛酷なドライブを強いられるドライバーへの負荷を低減する安逸性も要求しました。
それゆえに、今回のF12 tdfは、日常でもレースでも使える究極のロードカーなのです」
ツール・ド・フランス(当時はTdFと表記された)での栄光を上書きするようなF12 tdfは、
自然吸気(ターボではない)の6262cc V型12気筒エンジンを搭載。
最高出力は780ps/8500rpm(F12ベルリネッタは740ps)、
最大トルクは705Nm/6750rpm(同690Nm)となっている。
ものすごいトルクの80%は2500rpmで得られるが、フェラーリでは、
エンジンの力は8900rpmでレッドラインが引かれたリミットまで途切れることはないとしている。
799台の少量生産は往々にして採算に合わないが、フェラーリでは手を抜いていない。
F1DCTと呼ぶ変速機のギア比も変更され、6%クロスレシオ化。
それにより、アップシフトで30%、ダウンシフトで40%の高速化が実現したそうだ。
車体はカーボンファイバーを効果的に使うことで110kg軽量化している。
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