Lancia D50
WWⅡ戦前のアルファロメオは、販売が低迷する中でレースに活路を見出そうとするも最初はなかなか勝てなかった。
そこでフィアットでレーサー設計していたヴィットリオ・ヤーノ技師を招へい。
ヤーノ氏は天才的な手腕を発揮して戦前期のアルファを常勝チームへと引き上げた。
氏は戦後になってランチアに移籍(フェラーリのエンツォも彼を欲しがっていた)、そして1954〜5年に開発したマシンがコレ。
センターシートのV8エンジンFRレイアウトで可能な限り車高を下げる為、ドライブシャフトが座席の下を通らないようにフロントのエンジンを斜めに搭載。
また特徴的なサイドポンツーンはそこに燃料を収めることで、燃料消費による前後重量バランスの変化を抑える狙いがあった。
また、その燃料タンクは形状からして前後タイヤ間に起こる空気の乱流を防ごうという狙いもうかがえる。
燃料搭載という現代とは異なる目的としても、サイド・ポンツーンという概念など無かった時代にこのデザインを思いつく先見性に
天才技師と称されたヤーノ氏の手腕が垣間見られる。
(本車はランチアのF1撤退を機に1955年フェラーリに譲渡、同時にヤーノ氏もフェラーリへ移籍している)
ところで個人的な感想だが、ただ単にスタイリングとして見た場合、
ボディをもっと細くてタイヤとタンクがもっと離れていたら、さらに軽快感が増してカッコ良かろうと思っていたのだが、
それを具現化してくれたイラストがコレ↓
http://bbs44.meiwasuisan.com/bin/img/car/14005960810470.jp... サボイア S.21試作戦闘飛行艇(実在しないポルコ・ロッソの飛行機)も好きなレシプロ機の一つなので、この絵を発見した時は二重に嬉しかった。
因みに、この軽快なデザインが成立するのはタイヤが細いからで、現代の極太タイヤF1では同様にはならないだろう。
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