20年ほど前のデビュー当時、"ベイビー911"や"貧乏人のポルシェ"などと呼ばれた「ボクスター」。
その10年後に「ケイマン」が登場した際も同じように揶揄されたが、2012年に現行モデル「981」型が発表されたのを機にその陰口はやんだ。
その理由は、ツッフェンハウゼンから送り出された2つの新しいエントリー・モデルが、偉大な兄に迫るほどの性能を持つようになったからだ。
そして、今回発表された新型モデル「ボクスターGTS」と「ケイマンGTS」の誕生により、ますますその評価は大きなものになるだろう。
ボクスターGTSとケイマンGTSは、それぞれ「ボクスターS」と「ケイマンS」をベースとしている。両車とも3.4リッター水平対向6気筒エンジンを搭載し、
ボクスターGTSは最高出力330ps/6,700rpm、最大トルク37.7kgm/4,500-5,800rpm。ケイマンGTSは340ps/7,400rpm、38.7kgm/4,750-5,800rpmを発揮。
スポーツクロノパッケージ、ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)、
ブラック仕上げのポルシェ・ダイナミック・ライトシステム(PDLS)付バイキセノンヘッドライト、20インチ「カレラS」アロイホイールが標準装備されている。
「911 GT3」にMT設定がなくてガッカリした方にとって、GTSに6速MTが標準装備されたことは朗報だろう(もちろん7速PDKモデルも用意されている)。
0-100km/hは、7速PDKでスポーツクロノパッケージに備わっているスポーツ・プラススイッチをオンにした場合、ボクスターGTSが4.7秒、
若干パワーの上回るケイマンGTSが4.6秒だという。どちらもボクスターS、ケイマンSを3分の1秒ほど短縮するタイムだ。
更に室内もアップグレードされており、スポーツシートとアルカンターラのトリムが採用されている。
どちらも今夏にはショールームにお目見えする予定(日本では4月3日から受注を開始)。
価格はボクスターGTSが7万3500ドル(約750万円、日本の公式HPでは消費税8%込みで885万円)、
ケイマンGTSが7万5200ドル(約770万円、同915万円)。
諸費用も含めるとGTSはSモデルより約1万ドル高くなるが、スポーツクロノパッケージやPASMが標準装備されていることを考えれば、決して高いとは言えないだろう。
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