●もとは「バッテリーあがり防止」の慣習だった?
夜の交差点で信号待ちをしている車列に、ヘッドライトを消しているクルマを見かけることがあります。
こうした慣習は特に大都市でみられるようですが、交通ルールに照らすと正しいものではなく、
停車中もヘッドライト点灯の義務があります。
東京都世田谷区の自動車学校、フジドライビングスクールの田中さんは、
「道路交通法では、夜間の道路にあるときは常にヘッドライトを含む灯火をつけなければならない
と定めていますので、教習ではヘッドライトを消すようには教えていません」と話します。
このような慣習はどのようにして広がったのでしょうか。
引き続き田中さんに聞きました。
―― 信号待ちでヘッドライトを消す慣習は昔からあったのでしょうか?
交差点で停車している時に消灯する慣習は、かつて東京などの大都市で多くのクルマに見られましたが、
もとはタクシー業界から生まれたものと聞いています。
昔のクルマはアイドリング状態での発電能力が低く、さまざまな機器を積んでいるタクシーは
バッテリーが上がりやすかったのです。
そこで、ヘッドライトをこまめに消してバッテリーの消耗を抑えていたようです。
そうした慣習が一般にも広がったと考えられますが、現在のクルマは発電やバッテリーの性能が
向上していますので、交差点でライトを点けっぱなしにしてもバッテリーが上がることはありません。
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