『中嶋悟の交通危機管理術』(新潮社/1994年)より
●薄暗くなったらヘッドライトを点灯する意識
― 薄暗くなったらヘッドライトを点けるのは 自分自身が見るためではありません 相手に見てもらうためなんです ―
タ方薄暗くなっても、ヘッドライトを点けないで走っている人がこんなに多いのは、日本だけです。
ヘッドライトを点灯するのがすごく遅い。
スモールランプだけを点けて、本当に暗くならないとヘッドライトは点けない。
それに、雨の日にヘッドライトを点けてる人って、まずいないんですね。
おそらく、ヘッドライトを点ける点けないの判断は、自分が見えるか見えないかを基準にしているんだと思います。
タ方になっても、まだまだ見えるからいいや、雨でワイパーは動かすけど、なんでライトが必要なのって感じでしょう。
でも、それは違う。
ヘッドライトを点けるのは、自分が見るためじゃない。
相手に見てもらうためなんです。
車を運転しながら、周りを見ることは、昼間明るい時でも、実は、すごく難しいんです。
つまり、かつて人間の移動手段は、自分の足で歩くことだけだった。
人間の目は、もともと、歩く速度、時速4キロ用のものなんです。
ところが、当たり前のことだけど、自動車はずっと速い。
時速50キロなり60キロという速度は、昼間でも、人間の目にとって、大変な負担なんです。
返信する