経営への打撃は深刻だ。「対策費は5000億円規模。
倒産の二文字が見え隠れしてくる」(自動車担当アナリスト)といった厳しい指摘も出始めた。
三菱自の経営危機は、ひとえに人災である。
数々の不祥事や、その温床となった風通しの悪い組織をガンのようにはびこらせたのは
経営トップの資質に問題があったからだ。
人災の種を蒔いたのは元社長の中村裕一氏である。
3期6年の社長の任期を終えた中村氏は、自分の意のままになるイエスマンを次々と社長に据え、院政を敷いた。
中村氏は会長を辞任した後も人事に対する影響力を行使した。
河添克彦氏が副社長5人と上席の常務8人を飛び越す抜擢で社長になった人事も、中村氏が決めた。
河添氏は重要な場面では中村氏に判断を仰いだという。
三菱自凋落の“A級戦犯”として中村氏を名指す声は多い。
益子氏が社長になるまでの10年間に6人が社長になっている。益子氏だけが例外で9年務めた。
「身売りしかないんじゃないじゃか」(前出の三菱グループ首脳)
しかし、国内の自動車メーカーのなかで三菱自を引き取る意向のある企業はない。
そうなると売却先として、中国企業や自動車ビジネスに進出したグーグルやアップルなどの名前も浮上してくる。
いずれの場合でも、上場を廃止して小回りが利く会社にしてから売却するというステップを踏むことになるだろう。
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